・・・・残念なことですが、「見る力」がないのです。
かつてこんなツイートをしたことがありました。
私は広瀬すずさんとお会いして、いわゆる「顔が小さい」とはどういう現象なのかを知りました。図解して見ましたので見てみてください。この二つのタイプを漫画の中でもキャラ造形の一つの差異として書き分けられたらすごいな、と思います。もちろん私は平たい方です。 pic.twitter.com/jl2cUFefam
— すぐやる末次由紀ちはやふる47巻8/12発売! (@yuyu2000_0908) July 15, 2018
・・・「奥行きのある顔」の存在を認識していたのに、わかっていたつもりだったのに、やっぱりわかってないな?と自分でも思う絵を描いてしまうことがまだまだあります。
千早・・・まだ平たい顔族だな!?(ちはやふる234首より)
気を抜くとすぐ奥行きを忘れてしまう。
自分が平たい顔で、その造形が骨身に染み込んでいるので、どうしても「奥行きのある顔を描きたい」という思いが付け焼き刃になってしまう辛さ。
正面の顔ではあまり気にならないのですが、下を向いている顔、上を向いている顔の時に如実に「奥行きのあるなし」が伝わってしまいます。
それが辛かったので、最近時間を作って練習しました。「見る力」がないな、ということを感じた時に練習しないと、いつまで経っても手癖で書いてしまいます。
練習して気がついたポイントをここにメモします。
もしも同じように「平たい顔に少しでも奥行きを出したい」と思っている方の気づきになれたら幸いです。
今回も、私の心の奥行き番長【広瀬すずさん】の写真をたくさん見ながら描いてみました。まず下向きの顔。
ああもう、小さな違いが大違いなのがわかります。
描いているつもりでも、ちっとも分かってなかった部分が「眉と目の距離」。ここの距離が奥行きのある顔の人はとても近いです。下を向いたら「目が半分隠れちゃう」くらいの方も欧米人ではいらっしゃいます。
平たい顔でかわいい子もたくさんいますが、キャラクター設定的に「目鼻立ちのはっきりした美人」を描きたい時は、眉と目のバランスがとても大事です。
◆眉と目の幅が近いほうが奥行き顔に見える。
◆顔の幅はキュッと小さく。(ここではあんまり反映できなかったですが、【耳の位置も目よりもグッと上】にあった方が奥行きの表現として正しいと思います。普通は目の真横に耳はありますが、上から見た場合。)
次にななめ顔を描いた時の気づき。
やはりここでも奥行きのある彫りの深い顔を描くときは「目と眉の距離がポイント」。近ければ近いほど彫りが深く見えるようです。
しかし、ななめ顔を描いた時に気がつきました。上から見た顔を描いた時よりも、「漫画として可愛い」顔にするのが難しい!造形として正しい顔と、漫画として成り立つ顔はまた別物です。
いいとこ取りを目指すために、第三の顔を描いてみました。
◆左右の目の横幅の差が大きい方が、頭が球体であることが伝わって奥行きを感じられる。
◆鼻筋に奥側の目が隠れる方が彫りが深く見える。
◆目から耳までの距離が大きい方が顔が小さく感じられる。
◆耳が少し大きいくらいの方が、顔自体がコンパクトに見える。
◆後頭部は大胆に大きめに書くくらいでいい。
海外に住む友人がこの間言っていました。
「同じ頭囲でヘルメットを作っても、欧米人のサイズのものは頭の横幅が狭くて全然入らなかった」
つまりは、自分が思うよりももっと、後頭部だけではなく目の位置、耳の位置も、横側・後ろ側に配置される造形を意識すべきなのです。
まだまだ出来てないこと、描けていないことだらけで恥ずかしいですが、少しずつ気づきを蓄積して行って、いろんなタイプの顔を描けるようにと鍛錬して行きます。
漫画道はまだまだわかってないことだらけです。
(ものすごく研究させていただいた広瀬すずさんに深く感謝を。ありがとうございます。大好きです。)
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