

この連載では、『宇宙兄弟』や『ドラゴン桜』などの編集者であるコルク代表・佐渡島庸平が、『コミチ』に投稿しているマンガ家の中から気になる存在を毎回紹介します。
わかりやすく伝える
今回は、圧倒的なわかりやすさと習慣化で地力を上げ続ける、いぬパパさんを紹介。
まずはいぬパパさんの作品『あこがれ魔法少女☆デンジャラスデンジャー 』を見て欲しい。
いぬパパさんの作品はわかりやすい。ページのどこに目線を向ければ良いのか、キャラクターの心理はどうなっているか、明確に伝わってくる。
わかりやすく伝えることは簡単なようで難しい。多くの新人マンガ家は自分の伝えたいことがよくわからないまま魅力的なキャラクターや設定に凝り出してしまう。結果として、本人が伝えたいことをわかっておらず、伝える技術もないため、よくわからないフワフワした作品になってしまう。
いぬパパさんは、マンガの基礎とも言える自分の伝えたいことを明瞭にすること、伝わるようにわかりやすい演出にすることが十分に出来ている。だから作品に没入ができ、ストレスなく読み進められる。
習慣化の鬼
上達したいとき、コツコツ続けることで量を積み重ねるのは非常に大きな力になる。しかし、習慣化は小さなことでも実際に毎日続けることは大変で、途中で挫折してしまう人は多い。
いぬパパさんは、Twitterで #美人一年 の投稿を200日以上続けている。仕事をしながら少しでも毎日マンガを描くことをしっかり習慣化していて、それがいぬパパさんの基礎力を支えている。
僕は、いぬパパさんにはもう一歩先へ進んで欲しい。それは、他人の絵柄などを真似しながら投稿を続けることだ。絵を真似することで、たった一本のラインの引き方や目の描き方など自分の絵を描いていたときには気づけない課題が浮き彫りになるからだ。
そして、魅力的なキャラクターと設定を練り上げることで、素晴らしい作品を生み出すことをすごく楽しみにしている。
▼いぬパパさんのマンガはコチラ
<編集協力:平井 海太郎>

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