この連載では、『宇宙兄弟』や『ドラゴン桜』などの編集者であるコルク代表・佐渡島庸平が、『コミチ』に投稿しているマンガ家の中から気になる存在を毎回紹介します。
答えはひとつからすべてに
今回は、すべてを肯定するマンガ家、あまいろさんを紹介。
あまいろさんがTwitterで公開した「すべてを肯定する彼氏」は2.8万リツイート、11.9万いいねがつき、withnewsで現在連載もはじまった。
コミチでも「すべてを肯定する彼氏」は掲載されているので、まずは作品を読んでほしい。
いかがだろうか。僕はこの優しい世界にいつもほんわかして癒される。
かつては、男性で言うなら“三高”(高学歴・高収入・高身長)のように、社会的に素晴らしいとされる理想像が決まっていた。その正しいとされる理想に向かって努力することが良いことと見なされ、人と違う道を行くことはなかなか認められにくい時代だった。
だが今の時代、唯一の理想像はなくなり、多様性を受け入れて、様々な選択肢の中から自分が価値を感じるものを見出す方向に変わってきている。
昨年末のM-1グランプリでは、ぺこぱの“否定しないツッコミ”が大きく話題になったが、これも、今の時代の空気感を反映しているように思う。真に多様性を認めようという社会に変わってきているのだ。
時代の空気を物語に落とし込む
今の時代、SNSで広く作品を読まれたいと考えるなら、マンガ家はこういった時代の空気感を的確に掴むことが重要だ。
あまいろさんは、この時代の空気を掴んだ上で、独自の視点と発想で「すべてを肯定する彼氏」にうまく落とし込んでいる。
あまいろさんが今後、激しく移り変わるこの時代をどういう視点から自分の物語を紡いでいくのか、僕は楽しみにしている。
▼あまいろさんのマンガはコチラ
<編集協力:平井 海太郎>
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